中間層の少なさが、日本人をインドから遠ざける

ある意味、日本は「幅が狭い」

俺が日本でも中間層だからだということもあるかもしれないが、収入に対する執着はほぼない。 インターネットには無料でアクセスできるし、外は静かで安全、無記名の善意にあふれていて、多分百億円持っていてもユニクロを着て300円の豚丼を食べる人は多い。しかし、インドは違う。

インドでは、収入によって生活がまったく異なる

簡単にいえば、住み分けされている。インド人は、一般論として自分の収入をアピールするためにそれ相応の服を着て、それ相応の場所で外食をする。同僚にきいても、street mall がいくら圧倒的に安くおいしくても、そこで食べたらお腹を壊してしまうと笑う。

これは別に自己掲示欲を満たしたいわけではなく、完全に、同じ国で住んでる世界が違うのだ。日本人にはここが理解できない。 だからぱっと見える雑多で不潔な世界、客引きを見てこれがインド全てだと錯覚してしまう。

急速に欧米化が進むインドでは、例えば英語ができてIT産業に従事するような人(いわゆるアッパーミドル)なら日本人と価値観を共有できる部分は多いのだが、それも気付かない。

みんなに同じ価値観があるのは、島国かつ先進国である日本の特徴ではないか

別に早く全体が欧米化しろと思っているわけではなく、そこには多くの弊害がある。 でも、そういう認識を持てれば見え方が変わってくると思うのだ。どうしても日本人は、空気を読むとかの国民性に代表されるように、そこの「国」等、全体単位でみてしまい、フィルターが掛かる。

そうではなく、個人、一グループ単位で見極めていけば、素晴らしい側面、サービスが沢山みれることに気付く。そうすれば、日本人のインド進出への尻込みは、多少薄れると思う。