サルたちの狂宴

なんとなく、スタートアップのノリを知りたくて読んだ。
今より少し昔のシリコンバレーの雰囲気がとても良くわかる本だった。

CHAOS MONKEYS

タイトルになっているCHAOS MONKEYSは、NETFLIXがオープンソースで提供する障害発生ツール。

Amazonクラウド上のインスタンスをランダムに落としまくることで、サービスに対して仮想的な障害を引き起こす

著者はシリコンバレーの企業をカオスモンキーだという。

どれも既成概念のケーブルを引っこ抜く行為に当たる。ベンチャー企業が大胆な発想で生み出したにわかづくりのソフトに、既存の業界が次々となぎ倒されていく。

上流クラスを集めたツアーバス

本の中で、アイビーリーグからコンサルティングや金融業界に務めるキャリアをツアーバスと読んでいる。そして、スタートアップはカオスモンキーだったわけだ。

けど、著者はゴールドマン・サックス出身、その後ベンチャーでYcombinatorというキャリア。
もはやシリコンバレーは新しいツアーバスに近いんじゃないだろうか。YCombinatorに受かるのは、それこそ新しいエリートだろう。
そうやって硬直してきた場所からは、真のカオスモンキーは生まれづらくなっていく、そんな気がした。著者自身、非常に優秀なタイプの人材と思われ、カオスには見えない。