シェアリングエコノミーのエンジン
これって、新しい技術革新があったとかじゃなくて、ネットを使っていわゆる「貸借り」を見直しているだけだ。なぜ、この産業が2012年あたりから急激に成長しているのかはわからないが、よく巷で言われている、スマートフォンが浸透してきた、とか、相互評価システムが・・・とかではないと思っている。
シェアリングエコノミーのエンジン
なぜ家や車がシェアされるようになったのか、わかりやすいところでは、下記がよく言われるところだ。
- スマートデバイスの普及による、シェアリングサービス利用の容易化
- 「相手の信頼」をネットから得られる
特に2. 「相手の信頼」をネットから得られる
なんかは、SNSの勝利かもしれない。直接3分話すより、FACEBOOKアカウントを見るほうが相手のことがよく分かる現代だからこそ、できるサービスだ。加えて、相互評価の仕組みとデザインも、大きな要因だと思う。
だけど、本質はそこじゃないと思っている。変わったのは、人の感性だと思う。
もので自分をブランド化するのがダサい
車を持ってる、金を持ってる、権力を持ってる、最近ではもはや、「何を知ってる」、そういうことを自慢することさえ、ダサい感じがする。
こういう感性は、大なり小なり、みんな生まれてきてる気がする。必死で何かを持つのは、賢くないというか、なんというか・・・、そういうものから解放されて、全部giveしたほうがかっこいい。
リチャード・ドーキンスは利己的な遺伝子のなかで、「組織の成熟度が上がるほど、ナイスガイは勝ちやすくなる」と言っている。頑張ってものを集めて固持するのは、ナイスガイじゃない。「まずは権力と金を握ってから、俺が社会を変えるんだ」みたいなのも、現代社会ではまらない。
AirbnbもUberも見つけていない、真のエンジンは何か
真のエンジンが技術の進歩じゃなく、人々の感性の進歩だったとしたら、何を提供できるだろうか。そうやって考えれば、まだ余地はある気がする。2012年から流行り始めて、悲しいほど後発でサービスを始めようとしてると気づいて、Airbnbがtripsという、似たコンセプトのサービスを始める中で、何をやろうとできるだろうか。
その親切心はいくらか
一部のコミュニケーション強者にだけ許されている、「知らない人に話しかける」という行為。
近くの人に何かを尋ねる、、というのはとても難しい。相手も知らないかもしれない、変な人だと思われる、等いろいろな不安が生まれる。海外では文化もわからないし、特にそうだ。
じゃあ、例えば極端な話、「私は今暇で、道案内とかやりたいです」とプラカードを下げて立っている人がいたらどうだろう。
怪しいけど、多分、話しかけられる人の割合は上がる。
現実には、プラカードを持つのは荷物になるし、不特定多数の人に見えてしまうし、いろいろと面倒くさそうであまり好まれない。
なので、そこに新たなエンジンを提供したい。
そのエンジンが、プラカードの代わりになるプラットフォームと、コミュニケーションの対価を計算する仕組みなんじゃないか、と思っている。 今はそんな自然発生的に生まれた親切心、ちょっとした道案内の対価を計算する術は多分存在しない。ここを実現することができれば。