ガウディの伝言/井上雄彦meetsガウディ
ガウディ建築を見るということで買った。
著者は外尾悦郎さん
情熱のはけ口を求めてバルセロナに行き、単身で建築参加を申し込んで始めた。熱い。出口には名前が掘ってある。
しかもNHKで特集 -> NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル「サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む」
「それをひとつ掘らせてほしい。」無謀にもそう交渉したのがきっかけで、私はプーチ・ポアダさんとルイス・ボネットさんという、ガウディの直弟子にあい、サクラダ・ファミリアの彫刻家として雇われることになる
驚異的な独創性
初代主任建築家のビリャール・ロサーノが設計したサクラダ・ファミリアから、ガウディの設計を比較すると、もはや比較にならないというか、なぜこんなことになるのだ?という感じだ。
永遠に満たされていくもの
ココに書かれていることこそ、20年以上サクラダ・ファミリアに関わってきた人々の魂の叫びであるように見える。
その大部分を、石ではなく、コンクリートで作り始めています。当時のサクラダ・ファミリアを取り巻く厳しい環境の中、建設の中断をのがれることを引き換えに選択された道です。
ただ一つ私が案じているのは、コンクリートという便利な建材を使うことで、建設に対する考えがどんどん安易にならないか、ということです。石で作ることを断念したからこそ、常により良いものを求めようとするガウディの精神を受け継ぐことが重要でしょう。
井上雄彦meetsガウディ
これも買った。
井上雄彦がサクラダ・ファミリアを見て何気なく言った、「これ、完成する意味ってあるんですかね」という言葉は個人的には共感する。
こっちは、例えば兄とガウディのやり取りの想像の描写など、表現力はさすが。 足が悪く歩けなくて引きこもり気味の青年ガウディを医者の兄が背負っているシーンで
「ありがとう、兄ちゃん」。
「気にするな。お前は兄ちゃんが想像もつかないようなすごいことをやる予感がするんだ」
とか。そして、絵が書けるということによる優れた観察眼を感じた。